私は、ゆっくりと静かに携帯に電源を入れた。 明るくなる画面。 私は送信したメールと受信したメールを見ることにした。 指が震える。 怖いっていう気持ちじゃないけど……。 緊張、する。 送信したメール。 最初の行に《琴平先輩》と見えたものを開いてみた。 日付は、7月下旬。 ちょうど夏休みの時期だ。 《琴平先輩、お久しぶりです。海です。 今週の日曜日、空いてますか? もしよかったら、『この恋、賞味期限切れ』っていう映画、一緒に見に行きませんか?》