「私も覚悟を決めた。
これ……、海が持ってて?」
「これって……」
空は一番上の引き出しからあるものを取り出し、私に渡した。
あるものとは、……私の前使っていた携帯だ。
「やっぱり、海の物は海が持っていたほうがいいもんね」
「空……ありがとう」
「そこには、海が失った記憶のヒントがたくさん入っていると思うから、海も覚悟が決まったら見るといいわ」
空の手は、気づかないくらい小さく震えていた。
怖いの、かな?
私がまた、悲しい思いすると思って、怖いのかな?
大丈夫だよ、空。
私はそう言うように、空の手を握った。
空は「海…?」と、泣きそうな声で呟く。



