「本当は、琴平先輩にも会ってほしくないの」
「え?」
琴平さんにも?
琴平さんに関しての記憶を失ったから?
「ねえ、海。海は、どうして記憶を取り戻したいの?今のままじゃ、嫌?」
空の真っ直ぐとした瞳に、私の目を奪われる。
空の声は、私の心臓を揺らす。
「今だって、幸せだよ。凪雲くんや空もいるし、新しい友達だってできた」
どう言葉にしようか。どう言ったら、伝わりやすいだろうか。
そんなことを考えながら、言葉を紡ぐ。
「だけどやっぱり、失った記憶が、気になるんだ。
どうして琴平さんとの記憶ばかり失ったのか、すごく気になるの」



