「――海?」
「な、なに?」
「どうしたの?ボーッとして」
我に返った私の顔を覗き込むようにして、空は聞いた。
記憶が過ぎったとき、私はどうやらボーッとしているらしく、空を不安がらせたみたい。
「なんでもないよ。大丈夫。ただ、記憶が過ぎっただけ」
「え…!」
「空との、記憶だった」
「私との、記憶……?」
私の言葉に、空は首を傾げる。
「ねぇ、空。『もし何かあったら、遠慮せずに言ってね』って言葉、覚えてる?」
記憶が全て消える前に、この記憶に関してのことを聞かなきゃ。
私はそう思って、空にそう尋ねた。



