空が心配してくれていることは痛いほどわかってるつもりだし、不安にさせていることもわかってる。
だからこそ、気になるんだ。
空がこれほどまでに動揺するほどだった記憶が、一体どんなものなのか。
……なんて、そう思っても記憶なんて断片的でしか思い出せなくて、しかもそれはすぐ消えてしまう。
琴平さんに協力してもらったあの日に思い出した記憶だって、存在感のあるものだけをはっきりと覚えてたってだけだし。
“覚えてた”だから、今じゃもう、あまり思い出せなくなってしまったけど。
「そーら、お待たせ♪」
「じゃあ行こうか」
「うんっ」
支度が終わった私は玄関で待っててくれていた空の言葉に、大きく頷いた。
……前はあんなに、私が花丘高校に行くのを嫌がっていたのに。
どうして文化祭はいいのかな?



