私は自分の部屋へ戻り、急いで支度をした。 花丘高校に行くのは久し振り。 退院してから一度だって言っていない。 花丘高校に行けば、記憶の手がかりがあるのかもしれない。 最初にそう思った私は、本当は琴平さんに会う前に花丘高校へ寄ろうと思っていた。 だけど、その私の行動を、空は止めた。 『ダメよ』 『どうして…?』 『……ダメなの』 理由は、何度聞いても教えてくれなかった。 たった一言、「ダメ」の二文字ばかりを繰り返していた空。