「……すみません。記憶、思い出したかと思えばすぐに消えちゃうんです」
私は小さく頭を下げて、謝った。
協力してくれたのに、結局収穫はあんまりない。
しいて言えば、この公園であった愛しい過去。
「しょうがないさ。ゆっくり、思い出していこう」
「……はい」
琴平さんは私の肩をポンと叩き、そう優しく言ってくれた。
私は小さな声でそう返事をした。
本当は、ゆっくりなんて嫌だ。
すぐに、今すぐに、思い出したい。
そんな私の気持ちをよそに、
記憶は、いつまで経っても、私のところに戻ってきてはくれないんだ。
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