ぼんやりとしてきた記憶。
だけど、そこにはハッキリとした何かが在る。
とても幸せで、愛しい時間の記憶。
しかもこの公園で……。
どういうこと?
「大丈夫?」
「は、はい。ちょっと記憶が過ぎって……」
「え!?」
私はこめかみを抑えながらそう伝えると、琴平さんは目を丸くして声をあげた。
琴平さんの顔は、嬉しそうな悲しそうな、そんな複雑なものだった。
「覚えてる?今、その記憶」
「……ぼんやりと、ですけど」
琴平さんは身を乗り出すようにして、私に聞いてきた。
ここで思い出したからなのか、琴平さんはいつも以上に積極的に記憶について聞いてくる。
そんなにこの公園での思い出は、思い出してほしいものなのかな。



