――フッと脳裏を過る、今目の前に広がる景色と全く同じ、公園。 『……私を―――の彼女にしてください』 『お前じゃなきゃ、嫌だ』 途中、ノイズがかかり、聞こえなくなる声。 だけどその声からは、愛しさや嬉しさや幸せをとても感じる。 今までにふと思い出した記憶と、少し違う。 すぐに消えたりしない。すぐに忘れたりしない。 その声の優しさも、一緒にいる大好きな人の温もりも、その日の空気も、私自身の心臓の音も、 全部、はっきりと伝わってくる。 ただどうしても現れないのは、……名前と顔だけ。