「違う、違う。俺は今、フリー。彼女とかいないから」 「え!?じゃあ、笹道さんは!?」 「あいつ……嘘ついたんだろうな。前みたいに――」 嘘?前みたい?……え?? 琴平さんの声がだんだんと重々しいものに変わっていく。 どういうこと? 「なんで嘘なんか……」 「恋に恋してんだよ、あいつは」 恋に、恋?笹道さんが? 琴平さんは真っ直ぐ空を眺めながら、そう呟いた。 私はあえて深入りせず、「そうなんですか」とだけ小さく言った。 空の青さが、目にしみた。