「あたしね、海が何かを隠してること、知ってるよ」
「え?」
隠してることって……、年齢が一つ上のこと?
それとも、記憶のこと?事故のこと?
考えてみれば、隠してること多いな私…。
隠し事が多いなんて、友達失格だよね。
「何を隠しているのかはわからないけど、秘密があることはわかってる」
「アン……。わ、私ね……」
「無理に言わなくていいよ」
隠している秘密を言おうかと思ったとき、アンは微笑みながら優しく言った。
「秘密を打ち明けてくれるのは、いつか言えるときが来たらでいいから。
……あたしが言いたいのはね、隠し事しててもあたしたちは友達だよってこと」



