初恋途中~キミ色にナミダ~







「よかったぁ、覚えててくれてて。
 それにしても、こんなところで会うなんて偶然ですね。会えて嬉しいです。
 まあ、遊理さんはあたしとは会いたくなかったかもしれませんが」





笹道さんは少しも悲しそうな素振りを見せないで、そう言った。



え?

どうして私が、笹道さんに会いたくないだなんて思うの?







「……陽介くんとあたし、付き合ってますから」



「え?」






いきなり笹道さんの瞳が変わり、敵対視するような鋭い瞳になった。



どうして今、琴平さんが出てくるの?






「そ、そうなんだ」



「なんですか、その反応。怒ってもいいんですよ?」






え?なんで私が怒るの?



……記憶消失になって、ここまで会話に困ることはなかった。

全然話についていけない。