――夕方。 「楽しかったぁ!」 「また行きたいな」 「うんっ」 動物園デートの帰り道。 電車から降りた私たちは、笑顔で話していた。 あっという間だったなぁ。 もっと、もっと長く一緒にいられたらいいのに。 こんなに時間が早く過ぎるなんて。 楽しい時間なんて、振り返ってみればほんの一瞬。 「な、凪雲くん」 「ん?」 私は立ち止まって、凪雲くんの名前を震える声で言った。 凪雲くんはいきなり立ち止まった私を不思議に思いながら、少し先で立ち止まり振り返る。