陽気な暖かさに安心しながら、私は桜の木の下をくぐる。
この春の季節。
私の胸は、大きく高鳴っていた。
どんな生活が待っているんだろう。
期待が胸をふくらませた。
「海、どうしたの?ボーッとして」
「ごめんごめん。桜が綺麗でさ」
私、遊理 海【ユウリ ウミ】。
今日から高校一年生。
私に声をかけたのは、双子の姉の遊理 空【ユウリ ソラ】。
空は、私なんかと違って、超のつくほどの美人。
おまけに成績よくて、性格よくて。
双子の妹から見ても、よくできた女の子。
そんな空を妬むなんてことはなくて、私は誇りに思っていた。
空は私の憧れで、目標で。
いつか空みたいになりたい!そう思ってる。
……ま、無理だろうけど。
桜の花吹雪が視界に広がる。
春の暖かさに包まれながら、私は空と並んで歩いた。