突然襲ってきた衝撃と痛み。 視界が真っ黒になって、身体は軋み、真っ赤に染まる。 ――イタイ。 ――イタイ……。 言葉が出なくて、意識が遠のいていく。 待って、待ってってば。 目を閉ざさせないで。 行かせてよ。 大好きな人の元へ。 歩けない、動かせない足。 手を少しだけ前に出して、「待って」と伝える。 ――大好き、だよ…。 その告白は、誰に向けて言ったんだっけ?