大切な人への贈り物だけは。



そう思って、抱えていた花束をふわりと、空中に優しく投げる。






気にしていたのは、花束だけじゃない。


携帯に届いた一通のメールも、気にしていた。







――……ごめんね。






その言葉は、誰に送ったのか。


自分でもわからないまま、呟いていた気がする。





三日後って言ったのは自分なのに、


待ってるって言ったのは自分なのに、






凪雲くん、今も待っててくれてるかな。


……彼も、待っててくれているのかな。







待たせている私は、ずっとこのまま黙って立っているだけなのかな。