じわり……と、視界が涙でぼやける。
なんで涙なんて出てくるんだよ……。
私は泣きたいわけじゃない。
ただ、もう少しあの時間を、大切に過ごしていればと思っただけ。
私は目に溜まった涙を、手で拭う。
泣いたって、私が眠っていた時間が戻るわけじゃない。
私は自分の机にソッと、手をそえる。
新しい生活が嫌なわけじゃない。
逆にすごく楽しい。
だけど……………。
「やっぱり、空と凪雲くんがいないだけで、こんなに変わっちゃうんだね」
少しだけ、物足りなくて、寂しいよ。
よく机を見てみると、「スキ BY あいつの彼女」という文字が彫られていた。
「ふふっ、可愛いなぁ」



