そうとは気づけずに、私は過ごしていた。
空が隣にいることを、当たり前だと勘違いして
凪雲くんのそばにいれることが、普通のことだと思い込んで。
「バカだったな、私……」
こんなにも簡単に、私が勘違いしていた、思い込んでいた日々はなくなってしまうのに。
私が持っていた、あの小さな夢でさえ
叶えられなかったんだ。
一緒にいること。
隣にいること。
毎日三人で過ごすこと。
そんな“当たり前”が、今じゃもう“珍しい”“特別”なもので。
空と凪雲くんは大学生。
二人とも私以上に忙しいはずだ。
三人の予定が合うことなんて、これから数えられるくらいしかないかもしれない。



