なに、この痛み……。
だんだんと消えていくその痛みは、まるで「思い出すな」とでも言うようで。
少し、怖くなった。
なんで屋上で誰かと会ったのかどうか、ただそれだけを思い出そうとしただけのなのに、こんなに頭が痛くなるの?
もしかして、
琴平さんを忘れてしまった理由と、関係があるの?
「……なんて、考え過ぎかな」
頭の痛みがなくなり、私は小さく深呼吸をする。
うん、もう大丈夫。
よし、頭痛も治まったことだし、学校探検しよっかな。
学校のことをよく知れるチャンスだしね♪
私はそう思って、体育館から離れて、まずは自分の教室へと向かった。
3年1組の教室は、夕日色に染まっていた。



