「琴平先輩、また焼きそばパンですか?」


「これうまいんだよなぁ」



琴平先輩が持っていたパンを見て、私は呆れた顔でそう言った。


週3日のペースで食べているそれ。



飽きないのかな?




「そういう海ちゃんは、今日はお弁当?」


「はい。空と早起きして作ったんです」




私はそう言って、自慢げにお弁当を見せた。


ほとんどが空手作りのものだけど、私だって頑張ったんだから。



卵焼きとウインナーと、それからポテトサラダ。


他は……空だけど。




「へえ。海ちゃんのお姉さんと。
 ……ほとんど、お姉さんでしょ?」


「ギクリ」


「ギクリって、ほんとに口出す奴初めて見た!ははっ」


「そんなに笑わないでください!!」




琴平先輩は、私と居るといつも笑っているイメージ。


私、面白いことなんて言ってないと思うんだけどな。


私はふてくされながら、空が作った酢豚をパクリと頬張った。