記憶喪失が原因? それとも、他の理由が……。 「なんですか?」 「俺とまた、友達になってくれないかな」 「え?」 「俺のことを忘れてしまっているなら、また、友達になりたいなって思ってさ」 明るい笑顔を見せた琴平さんは、そう言った。 また友達に……。 「はい、もちろんです!」 私は元気よくそう言って頷きながら、笑顔を見せた。 やっぱり琴平さんが近くにいると、安心する。 まるで太陽みたいだ。 こんなにいい人を、どうして私は忘れてしまったんだろう。