担当医から私への話は終わり、両親と話をするからと、私は一人で病室に戻った。
病室に入ると、そこにはもう凪雲くんはいなかった。
「空、凪雲くんは?」
「行かなきゃいけないところがあるからって、さっき出て行ったよ」
「そっか……」
もっと凪雲くんと話してたかったなぁ。
目を閉じれば思い出す。
凪雲くんに告白をした、あの情景。
ドキドキが止まらなくて、顔が真っ赤で。
それでも“スキ”が溢れて。
そして三日後に返事を聞くって言って、結局聞けなかった。
私が事故にあってしまったから……。
「――海ちゃん」
ドクン……。
あれ?まただ。また、胸が跳ねる。
琴平さんの声を聞くたび、どうしてこうも胸が跳ねるの?



