少しの間をおいて、凪雲くんがそう言った。
私の、友達?
「名前は、琴平陽介。俺たちの二個上なんだ」
「琴平……陽介……」
やっぱり、知らない名前。
どうして私は、友達なはずの彼を覚えていないんだろう。
凪雲くんは私の質問にそう答えたあと、琴平さんに視線を移した。
何かを伝えるような、そんな視線。
「琴平陽介です」
「お、覚えてなくてすみません……」
私の寝ているベットの脇に来た琴平さんは、そう自己紹介してくれた。
申し訳ない気持ちになりながらも、私は俯きながらそう言う。
――ドクン……。
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