琴平先輩のことが好き。
そのことに気づいたのは、ほんの二週間前。
ストンと落ちてきたその気持ちは、前から……出会ったときからあった感情で。
最初はすごく戸惑った。
え、え。
私、もしかして、琴平先輩のこと……!
わかったとたん、意識しちゃって。
顔が真っ赤になって、熱くなった。
それは今でも変わらないけど。
琴平先輩と交わしていた会話は、普通だったと思う。いつもと同じ。
なのにどうしてか、急にわかりやすいくらいはっきりと「好き」の二文字が浮かんだんだ。
『一年は大変だな~』
『そうなんですよー。
でも、三年生の方が大変でしょ?』
『なんでそう思うんだよ』
『だって、いろいろ責任とか負うじゃないですか』
『まあな。
ま、俺は楽しければなんでもいいけどっ』
琴平先輩のふと見せたキラキラの笑顔。
いつものキラキラが倍増して見えて、視界がチカチカと眩しくて。



