どうか花束だけでも。
そう思って、とっさにふわりと空中に投げた。
スローモーションになっていくような、そんな感覚に堕ちる。
どんどん近づいてくる車。
私は動けなくて、ただただ車を見つめる。
ああ、神様。
これは、何の罰ですか?
私がいつまで経っても初恋を引きずってるから?
それとも今更になって、迷ってるから?
……ごめんなさい。
陽介のことは忘れます。
凪雲くんへの想いだけを胸に、歩きます。
だから、公園へ……
凪雲くんのところへ、行かせて……。
痛みが全身を襲って、体を動かせなくなる。
うっすらと目を開けると、赤い血が見えて。
私はゆっくりと、意識を手放した。



