メールなんて、久し振りに届いた。
別れてから、一度だって来てなかったのに。
それに……
私がまだ、陽介の連絡先を消していなかったことにも驚いた。
存在を忘れてたってわけじゃない。
ずっと、消すに消せなかった。
ううん。
記憶から消したくて、でも消去できなかった。
思い出にするとか、無理に決まってるじゃん。
連絡先さえ、消してなかったんだから。
陽介と交わしたメールも、まだ保護されたまま。
どうして今なんだろう。
どうしてこの瞬間なんだろう。
凪雲くんに告白して、返事をもらう。
どうしてそんな今日という日に、陽介からメールが届くの?



