「海?」




凪雲くんを凝視しすぎた私は、視線に気づいた凪雲くんの呼びかけに、思わず目を泳がせる。





「なんでもないっ」





あ~~、今の私、絶対変っ。


なんでこんな態度とっちゃうんだろう。



こんなの凪雲くんに失礼だよぉ。






「変な海。 
 ほら、そろそろ戻るよ」


「え、あ、うん!」




立ち上がった凪雲くんは、私に手を差し伸べる。


私はその手をとって、立ち上がった。





あったかくて大きな手。


でもやっぱり、陽介とは違う。



だけど、どうしてかな。



すごく安心するの。

まるで、心が癒えていくみたいに。