「俺が着てたの、着る?」
「き、着ないよ!!」
私はブンブン首を横に振って、全力で否定する。
凪雲くんは「着ないの?」とふてくされた様子で、残念がっている。
なんか凪雲くん、いつもと雰囲気が違ったような…。
気のせい?
なんで私、こんなにドキドキしてるんだろう。
なんで私のほっぺ、こんなに熱いんだろう。
気温はそんなに高くないし、ていうかちょうどいいくらいだし。
どうして?
フッと頭をよぎったのは、もしもの話。
え…
私、もしかして―――。
い、いやいやいや。
まさか、ね。
私の予想は、当たる時もあれば外れるときもある。
だから信じられなかった。



