笹道さんが注文したココアとクレープを持って、私は笹道さんのいるところへ行く。


手が、こ刻めに震えている。



もっと堂々としてなきゃ、不審に思われちゃう。




しっかりしろ、私…!





「お待たせしました」


「美味しそう!ありがとう」





やっぱり、可愛いなぁ。


にっこりと微笑む笹道さんを見て、私はそう思った。




ゆるく巻かれた髪。

ガーリーなコーデ。

ほんのりつけたグロス。



全てが、笹道さんを可愛く見せている。


まあ、この子は素で可愛いんだけど。




「美味しいっ」



クレープを小さく一口食べて、笑顔をこぼしながらそう言う笹道さん。


私は「ありがとうございます」と言う。




でも、どうして笹道さんがここに……?