「じゃあそろそろ私、行くね」
チョコドーナツを食べ終えた空が、席から立ち上がってそう言った。
私は接客をサボって、空と話をしていたので少しガッカリした様子を見せる。
なーんだ。
もう帰っちゃうのか。
もうちょっと喋ってたかったなぁ。
「あとで私のところにも遊びに来てね」
「うん!もちろんっ」
空たちのところって、確か縁日だよね。
楽しそうだし、面白そう!
私は大きく頷いてみせた。
そんな私を見た空は、ふわりと柔らかく微笑んで出て行った。
よしっ。
今までサボってた分、接客頑張ろうっと。
私は気合いを入れて、接客を再開。
「あ、お久しぶりです。遊理さん」
再開したとたん、どうしてこの子が来るんだろう。
神様は、意地悪なのかな。



