――トクン…。 この胸の高鳴りは、何? 恋って、なんて残酷なんだろう。 恋って、なんて苦しいんだろう。 私は恋を、簡単に見ていたのかもしれない。 私は恋に、油断していたのかもしれない。 夏の暑さで目が眩んで、 去年の夏が、まぶたの裏に過る。 好きが 好きだったに 変わるのは、いつになるのだろうか。 私の涙は、干からびた地面に落ちて。 涙の跡は、すぐに消えてしまった。