あんな一瞬で、たった一言だけで、「好き」って想っちゃったの。
大好き“だった”人だと思い込んでいたのに、今でも大好きな人だと思い知らされてしまった。
やっぱり、恋は残酷だ。
顔を見ただけで、泣きたくなってしまう。
涙がこぼれそうになって、私はグッとこらえる。
泣きたくなんて、ないのに。
――ギュッ……
「凪雲、くん…?」
不意に温かい温もりに包まれた。
凪雲くんに、抱きしめられてる…?
理解したとたん、顔が熱くなる。
どうして凪雲くんが私を……!?
「それほど、好きだったってことだろ?」
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