「俺は今でもお前のことを…………っ」
陽介はそこまで言って、言うのをやめた。
何を言おうとしたんだろう。
少しの期待は、すぐに消した。
そんなのありえない、そう心の中で叫んだ。
会いたくなかった。
陽介に、会いたくなかった。
顔も、瞳も、見たくなかった。
声だって、聞きたくなかった。
もし会ってしまったら
すぐに引き戻されてしまう気がして。
まだ幸せだったあの頃に、一瞬で戻されちゃう気がして。
辛さも苦しさも、また感じてしまう気がして。
……本当にそのとおりになっちゃった。
胸が、痛い痛いって叫んでる。



