笹道さんとはどうですか?
今、幸せですか?
平気な顔をして、聞きたいのに。
それができない。
大丈夫。
大丈夫。
大丈……夫じゃない。
目が揺れて、視界がかすむ。
やめて、やめてよ。
これ以上、私を辛くさせないでよ。
……本当はわかってる。
悪いのは陽介じゃない。
初恋を思い出にしたことに“していた”、私のせい。
凪雲くんに助けを求めようとしても、凪雲くんは前会長と話している。
去年、凪雲くんは生徒会役員だったから、そのせいだろう。
けれど凪雲くんはチラチラと私を、不安げな瞳で見ている。
私が今大丈夫じゃないことを、知っているから。



