私はポケットに入れていた絆創膏を取り出した。
「あ、その前に、水で洗わなきゃね」
そのことを思い出して、私と凪雲くんは水道へ。
蛇口をひねって、水を出す。
凪雲くんは膝を曲げて、水に濡らした。
「いっ」と片目をつむって、思わず声を上げた。
染みるよね。
私もわかる。
ちっちゃかった頃は、私は結構やんちゃしてて、何度も転んでは怪我をしてた。
だからよくお母さんに怒られて、消毒されてたなぁ。少しきつめに。
「はい、絆創膏」
「ありがと」
私は凪雲くんに絆創膏を渡した。
凪雲くんはその絆創膏を膝に貼って、もう一度私に「ありがとう」と言った。
「どういたしまして」
いいことをした私は、いつもより明るい笑顔を向けた。



