ふと視線を落とすと、凪雲くんの膝が擦れていて血が出ていた。
え、え!
血、出てるよ!!
「保健室行かないと!!」
「大丈夫だよこれくらい」
「ダメダメ!バイキンが入っちゃう」
私はやや強引に凪雲くんの手を引っ張って、保健室へ連れて行った。
そういえば男子騎馬戦を応援してるとき、一騎、倒れてたな。
それが、凪雲くんたち!?
騎馬戦、おそるべし。
ていうか、怖い。
「保健室行かなくても、絆創膏貼れば大丈夫なのに」
凪雲くんの小さなつぶやき声が聞こえ、ハッと足を止める。
……それもそうだ。
「ご、ごめん。そうだよね、あはは」
なにテンパっちゃってたんだろう。
そうだそうだ。
絆創膏という秘密兵器があるじゃないか。



