前を走る青軍を、抜く。
両手両足を動かして、バトンを持つ手に力を入れる。
そして、バトンを渡した。
私は走り終えたのだ。
「はぁ、はぁ……」
つ、疲れたぁ。
私は肩で息をして、呼吸を整える。
けど、一人抜いたし、結構いい感じだったんじゃない?
無意識に笑みがこぼれ、私は額ににじみ出ている汗を拭う。
暑いな、今日は。
夏……なんだなぁ。
陽介と出会った春は終わり、
陽介と両思いになった夏が、訪れたんだ。
チクリ。
刺が刺さったような痛みには、気づかないふりをした。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…