「あ、君…!」
あれ、この声どこかで……。
やっと光が消えかけて、私は閉じていた片目を開け、片手を下ろす。
「あ……!」
「君、昨日の子だよね?」
私の目の前には、昨日、私の胸ポケットに花を付けてくれた受付の人がいた。
名前はわからないけど、なぜだがはっきりと顔は覚えていた。
「は、はい。昨日の子です」
「ははっ、自分で昨日の子って。
名前、なんていうの?」
「遊理海です。夏に行って泳ぐ、あの“海”です」
私はなぜか緊張しちゃって、自分の名前の漢字まで説明してしまった。
胸が、ドキドキ鳴ってる。
なんだろう。先輩だから緊張しちゃってるのかな。
「あなたは?」
「俺は、琴平 陽介【コトヒラ ヨウスケ】。太陽の“陽”に、紹介の“介”で、陽介」
彼も私と同じように、名前の漢字の説明までしてくれた。
優しい人なんだなぁ。



