幼馴染がそばにいる。


空と凪雲くんがそばにいる。



そのことがわかってるから、私は涙を流さなくなったんだ。






「うん、わかってる」



「……俺はさ、忘れなくていいって思ってる」



「え?」




忘れなくていい?


私は、凪雲くんの呟きに似た言葉に、思わず声を出す。





「思い出にすればいいと思うよ」





凪雲くんは私を見つめて、微笑んだ。


温かく、優しい笑み。




凪雲くんの瞳は、まるで空みたい。

透き通っている透明さを持っている、あの空みたいだ。





思い出か……。



「できるかな?」