「私に何か用?」
「泣いてると思って」
「え?」
泣いてるって、私が?
凪雲くんの言葉に、私は驚く。
私は、泣きたかったのかな。それとも、泣いていたのかな。
「まだ忘れられないこと、知ってるからさ」
「……バレてたか」
大丈夫。
心配してくれている空と凪雲くんに、笑顔を作ってはそう言っていた。
心配かけたくなくて、私は何度も嘘をついた。
自分にも、嘘をついていた。
「海のことずっと見てるからさ、俺らは」
凪雲くんはそう言いながら、私の隣に座った。
幼馴染って、なんかすごい。
何も言わなくても、私の心がわかるみたい。
私はそれが嬉しくて、安心する。



