いない……。
どこにも人なんていなくて、私は首を傾げる。
今の、空耳?
「うわ、やっべ!!」
すると、また声が聞こえた。
今度のは大きな声で、はっきりと聞こえた。
給水タンクの上。
はしごがついているそこの上から、聞こえてきた。
私はそこをジッと見つめる。
誰がいるの…?
カタン、カタン。
はしごを降りる音が聞こえるが、夕日の光が邪魔してそこから降りてくる人の顔が見えない。
「……誰?」
私は、無意識にそう声を発していた。
片目をつむり、片手で光をガードする。
給水タンクの上から降りてきた人は振り返って、私の方に顔を向けた。



