待ち合わせ時間は、30分を過ぎた。
雪が降りだし、少し寒くなる。
俺は、ずっと待ってる。
海が来るまで、ずっと………。
「琴平先輩」
海とよく似た声が聞こえ、顔を上げると
そこには、海の双子の姉の遊理空がいた。
「どうして君が……」
「海からの、伝言とプレゼントです」
冷たく吐き捨てるように言った遊理空は、綺麗にラッピングされた袋を俺に渡した。
海から……?
「もし琴平先輩が海のことを待っていたら、渡してくれって。
それと、『今までありがとう。大好きでした』だそうです」
なんだよ、それ……。
俺は下唇を噛み締め、昨日のことを後悔する。



