「空の忠告、ちゃんと聞いておけばよかった。ちゃんと……っ、」
ああ、もう限界。
涙が、さっきよりも溢れ出す。
現実を受け止めるなんて
失恋したんだと理解するなんて
私にとって、とても残酷なこと。
「ずっと、陽介のそばにいられると思ってた。ずっと一緒にいて、明日も楽しく過ごして、それで……」
今日買ったプレゼントを、渡すんだって。
本気でそう思ってたの。
この幸せは、絶対に続くって。
だけど、違った。
全然、違ったよ。
考えていた以上に、現実は簡単なものじゃなかった。
幸せばかりを、届けてくれるわけじゃなかった。
「海……」
空は声を押し殺して泣く私を見て、黙り込んでしまった。



