「どうしたの?海」 「海、なんかあった?」 空と凪雲くんは私を心配して、ベットの脇に来て言った。 私は枕に顔を当て、たった一言言った。 「陽介と、別れた」 棒読みに近い口調だった。 涙を見せたくなくて、必死に声を抑えた。 さっきから止まらない涙は、枕を濡らしていく。 ねぇ、どうしたら涙は止まるの? 「え?」 「別れたって……、明日デートじゃなかったの?」 「陽介、笹道さんと付き合うんだって」 言いたくない。 だけど、言わなきゃ。 私は言葉にすることで、自分自身にも言い聞かせていた。