校舎裏の公園にある桜の木とか、夕日と一体化する街とか、グラウンドの青春とか。
全部、見える。
私はフェンスに手をかけ、目を輝かせながら眺めた。
屋上、気に入った。
私は口角を上げ、目を細める。
この校舎で一番空に近い場所。
そして、一番景色が綺麗に見える場所。
屋上から見える春の景色。
それは、私にとって、鮮やかなもので。
桜のピンクと、空の青とオレンジと白と、グラウンドに伸びる影の黒と、ひとりひとり持っている光の黄色が、街ごとすべて彩っているように見えた。
一瞬で虜にするような、そんな感覚。
私の瞳を、離してはくれない。
「――ん……。ふはぁ…」
屋上の景色を楽しんでいると、ふと、どこからか人の声がした。
誰かいるの?
私は、辺りをキョロキョロと見渡した。



