「俺が好きなのはお前だけだ」 はっきりとしたその口調に、ドキッと胸が跳ねる。 陽介の声は、いつもより真剣なものだった。 だけどすぐ、その高鳴りは止んで、脳裏にフラッシュバックされるさっきのキスシーン。 見たくない。 思い出したくない。 陽介のその言葉を聞いても、本当かどうか、わからない。 キス、されてたじゃん。 好き、って言われてたじゃん。 どっちも、拒んでなかったのに。 「わからないよ……」 私は振り向いた。そして見えた陽介の表情は、とても不安そうだった。