逃げて、逃げて。 知らない街にでも、行ってしまいたかった。 涙が頬を伝い、頬が濡れる。 恋って、どうしてこんなに切なくて苦しいの? どうして幸せは、永遠に続いてくれないの? 私の体力が限界に達して、私は立ち止まる。 顔を上げるとそこは、駅前にある時計の下で。 明日のクリスマスデートの待ち合わせ場所。 無意識に走って、ここに来てたってこと? ……私、それだけ明日が楽しみだったんだ。 でも、今は……っ。 ポタリ、ポタリ。 涙が絶えず、地面に落ちた。 楽しみなんかじゃ、ない。