初恋途中~キミ色にナミダ~






ドクン……。


嫌だ、嫌だ。




見たくない。







まるで笹道さんが、陽介の彼女みたい……。



――違う!

彼女は私。



わかってるのに、どうして……

不安しか抱けない。






「ねぇ、陽介」






笹道さんの声が、なぜかクリアに聞こえる。


笹道さんと私との距離は結構あるのに、どうしてこんなにもはっきりと聞こえてくるんだろう。




神様の、嫌がらせかな?




「ん?」




笹道さんの呼びかけに、陽介は笹道さんの方に顔を向ける。