だけど、クリスマス。
そのイベントは、特別。
だから、誘うだけ誘ってみる!
クリスマスデート、密かに憧れていたんだ。
好きな人と過ごすクリスマスなんて、とてもロマンチック。
イルミネーション見たり、豪華なディナーしたり。
雪が降る街の景色を見ながら、星空の下キスをしたり……。
繰り広げられる妄想。
陽介とクリスマスデート、したいな。
昼休み。
私はドキドキしながら、屋上へ向かった。
クリスマスデート、誘うぞ。
絶対に、誘ってみるぞ。
いつも臆病になって言えなくなるけど、今日は頑張ろう。
私は屋上に入る少し手前で、「よしっ」と気合いを入れて、扉を開けた。
扉を開けた瞬間に吹いた冬の寒い風が、私の髪をなびかせる。
風はこんなにも冷たいのに、頬の熱はまだとれない。



