――季節は過ぎて、12月。
秋から冬へと、駆け足で変わっていく時期。
12月、私の運命を大きく動かす、そんな季節。
涙を流して、雪の冷たさに儚さを感じて、“スキ”の言葉を見失った。
そんな季節になることを私は知らぬまま、12月を迎えた。
幸せが続くと、信じていた―――。
「はぁ…」
吐く息が白い。やっぱりもう12月なんだ。
マフラーをぐるぐる巻いて、手袋をしている私。
隣にいる空も、私と同じような格好だ。
「いっきに寒くなったよね」
「そうだね。雪が降りそうな空だし」
空は灰色に染まる空を見上げて、そう言った。
私も空を見上げて、「本当だ」と呟いた。



